うつ病

不安と興奮が高まる

不安とうっは普通いっしょにおこります。そして、不安のため、普段よりイライラしやすくなります。またうつがひどくなると、興奮も高まります。うつの人は緊張して、じっと座っていることができません。多くがパニック状態(極端な不安感の発作)になり、心拍数が上がり、心臓発作がおきているのかと思われる人もいます。


深刻なうつにおこりうる症状は、妄想的思考です。妄想を抱いている人は、明らかに現実との接点を欠いています。妄想には、自分は迫害されているとか、自分は神から特別の才能や洞察力を与えられたと拷就渦など、誇大妄想的な思いこみがあります。実際には聞こえない声が聞こえる幻聴や、他人には見えないものを見る幻視もあります。

こうした症状のすぐあとに治療を受ければ、普通は思考も正常に戻り、正常に暮らせるようになります。こうした場合、一~二カ月の入院が必要でしょう。入院中は、毎日の精神療法、向精神薬、抗うっ剤、勇気づけが施されます。しかしなかには、残念ながら精神病になる人もいます。

精神病は通常のうつとは、その程度や性質において、とても異なります。
まとめとして、うつは複雑でつらい障害であり、心、体、スピリチュァリティのすべてに影響します。現実の痛みを回避するために、完全に現実との接点を失うところまで進んだりと、さまざまな程度の症状が見られます。大半のうつは精神異常の段階まではいきませんが、悲しみ、つらい思考、身体的症状、不安(または興奮)をともないます。
もしこれらの症状のために本人が生理的、社会的に何か悪影響を受けるようなら、うつと言えます。きちんとした専門の精神療法に積極的に取り組めば治ります。もし、悲しみ、つらい感情、精神運動抑制(体の動きが緩慢になり、しかもそわそわする)とともに相当の不安がともなう場合は、興奮性のうっですが、これもまた完全に治ります。
しかし、これに加えて妄想や幻聴、幻視があれば、精神病性うつと言えます。精神病性のうつも、早期に発見されれば、かなり治療は難しいですが、普通は治ります。なかには悪化して、一生、精神障害を患う場合もあります。ただし、近年の医学の進歩により、統合失調症(精神分裂病)患者も、処方薬を服用することで、健康な生き方に戻ることができるようになってきました。

うつから自殺に至るケースも

うつは自殺の最大の原因です。自殺はアメリカ人の死因の一○位にランキングされ、年間三万四○○○人の自殺者がいます。二十分に一人が自殺を図り、一○回に一回は死に至ります。世界中で、自殺は増加の一途をたどっており、年間五○万件が報告されています。
 自殺は人間だけに見られるものです。動物は他の動物を殺しますが、自分を殺すことはしません。人間だけが自殺をするのです。しかし「自殺をする」という人の言葉のすべてが本気だとはかぎりません。


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うつの症状2

 うつの人はモティベーションに問題があることが特徴です。つまり動機が欠如しているのです。以前かかわっていたような行動にも興味を持てなくなります。人を避けるようになり、一人にしてほしいと願うようになります。ユーモアのセンスも失われ、なかなか決心がつかなくなります。そしてしだいに自殺のことばかりが頭を占めるようになるのです。


 うつの三番目の特徴は、体の症状で、医師らはこれを「うつの生理学的随伴症状」ととらえています。うっの状態にある間、神経系統で脳内アミン、とくにセロトニンにかかわる生化学的変化がおきます。人間の脳は、車がガソリンで走るのと同じく、セロトニンで機能しますが、こうした脳内物質の変化が、さまざまな身体的結果をもたらすのです。
 

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うつにかかっているか

次の質問の答えの大半が「はい」の場合は、うっの確率が非常に高いので、症状が悪化しないうちに専門家のアドバイスを受けたほうがいいです。


1一年前と比べて、よく泣きたい気分になる。
2気分が滅入って悲しい。
3希望がなく、ほとんどいつも無力感にとらわれている。
4やる気、動機(モティベーション)がほとんどなくなってしまった。
5かっては楽しめたものへの興味が失せてしまった。
6生きることは価値がないという考えがよく浮かぶ。
7睡眠パターンが最近変わって、極端に多く、あるいは少なくなった。
8食欲がなくなっている。
9しょっちゅうイライラする。
10よくそわそわした感じになる。
11、エネルギーがなかなか湧いてこない。
12朝は一日のうちでも一番気分が滅入る。
13よく過去のことを思い巡らしている。
14鏡に映った自分は悲しそうだ。
15過自己否定感を持ってしまう。
16肥過去のことを気にしすぎる。
17一年前より多くの身体的症状(頭痛、胃の痛み、便秘、動惇など)がある。
18かってのように仕事がうまくできていないことを、;まわりの人は気づいていると思う。

うつになるとどんな症状が現れるのか?

 うつは存在のすべてl身体、感情スピリチュァリティーに影響をおよぼす病気です。うつの感情的な痛みは、骨折による身体的な痛みよりもはるかに深刻です。骨折などとは違って、うつの痛みは徐々にゆっくりとやってきて、ずっと長くとどまることが多いのです。
 現在多くの男女が、身体的な病気よりもうっの症状を多く患っています。そのうつの症状は、臨床的に見て大きく五つに分かれます。それは、悲しい感情、つらい思考、身体的諸症状、不安、そして妄想的思考です。

 
うつの一大症状のひとつは、悲しい感情です。うつを患っている人はふさぎこんだ顔つきで、落ちこんで見えます。また、泣きたい気分になりがちで、実際によく泣きます。視線は下を向いて悲しそうです。口角は下がり、額はしわが寄っています。疲れて、がっかりしたように見え、顔つきは緊迫した感じがあります。
 うつが進行すると、しだいに身だしなみに興味を示さなくなります。男性はひげを剃らなくなり、女性は化粧をしなくなります。深刻なうつの人は他人からはだらしなく見えます。
 うっを笑顔でかくそうとしてもわかってしまいます。事実、うっの人の多くが「にこにこうつ」として知られる状況(内面の悲しい感情をかくすために不適当に笑顔を見せる)になることがあります。


うつの第二の症状は、痛みをともなうつらい思考です。骨折すると身体的な痛みを感じるのと同じく、うっの人は感情的な痛みを経験します。ひどい身体的な痛みと感情的な痛みの両方を経験した人の多くが、心の痛みのほうが体の痛みよりもはるかに苦しいと訴えています。心の痛みより、骨折の痛みのほうがましだというのです。

うつの人は何度もくりかえして内省的に過去のあやまちに関して自分を責めます。自分に非がない場合でも、うしろめたさを感じ、自分のせいだと感じてしまうのです。過去のうまくいかなかったことも、それが事実であれ、想像上のことであれ、あらゆる事柄を過剰に心配します。自己否定感にとらわれているのです。問題がささいなことでしかなくても、あたかも大問題であるかのように評価し、それが全部自分の責任だとして自分を責めます(ある人はまったく逆に、自己憐偶にふけるあまり、すべての問題を他人のせいにします)。
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